飛蚊症
~飛蚊症とは~
明るい場所や白い壁などを見つめた時に目の前を小さな浮遊物があるように見える症状を指します。 その形は虫や糸クズ状のものである場合や、白い水玉や目にゴミが入ったようだと言われる方もいます。

~原因部位~
目から入ってきた光は、「角膜→水晶体→硝子体→網膜」の順に通過して物が見える仕組みになっています。

~飛蚊症の種類~
飛蚊症は、病的ではない自然な症状の場合や重篤な病気の場合もあります。
種類は大きく分けて5種類あります。
① 生理的飛蚊症
目から入ってきた光を網膜で映像として映すと同時に有害な紫外線を浴びる事になります。 この紫外線が目に入ると硝子体の中にあるタンパク質や脂質に酸化現象が起こり飛蚊症を生じます。 この場合、身体の免疫機能が正常に働いていれば目に発生した酸化を防ぐ酵素を 分泌することによって硝子体を守ってくれます。しかし、免疫機能の低下や年を重 ねることで酵素の分泌は減ってしまい飛蚊症となりやすくなります。
② 硝子体剥離による飛蚊症
硝子体剥離による飛蚊症は、飛蚊症の種類の中で最も頻度の高いもので高齢者に多 く硝子体も加齢によって網膜の間に隙間ができたり、剥がれたり変化していきます。 この剥がれた部分や隙間が網膜に移り飛蚊症の症状をもたらします。 硝子体剥離は、誰にでも起こり得る生理的現象でそれ自体は問題ではありません。
③ 網膜裂孔や網膜剥離による飛蚊症
網膜が萎縮し硝子体に引っ張られた際に破れて穴が開きます(網膜裂孔)そのときに、網膜の血管が切れて出血することによって硝子体が濁り飛蚊症の症状が現れます。 また網膜剥離は、網膜裂孔を放置しておいた場合に起こる場合がほとんどで、網膜剥離が起こると剥がれた部分では物を見る事ができなくなります。 無症状でゆっくり進行するものもありますので、注意が必要です。
④ 硝子体出血による飛蚊症
目の中が出血し血液が硝子体の中に入ると飛蚊症として感じます。 硝子体出血を起こすものとして糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症があります。 どちらも眼球内の血流が阻害されることにより血管が破れて出血を起こします。硝子体は血管が無く血の循環が悪い所なのでなかなか血液を吸収できず症状が改善するのに時間がかかります。
⑤ 炎症による飛蚊症
眼球の炎症性の病気によって硝子体が混濁して飛蚊症の症状が現れることがあります。 最も多い疾患がぶどう膜炎です。目に炎症が起こると血管から白血球などが硝子体に入り込み硝子体が混濁して飛蚊症の症状が現れます。
~飛蚊症の鍼灸治療~
当院の飛蚊症の鍼灸治療は以下の3点を重点的に行います。
1, 目の周りの筋緊張の緩和・血流改善
2, 自律神経の状態を整える
3, 頚肩部の筋緊張を緩める
物理的な目の障害を治す事は難しいですが、当院の飛蚊症に対する鍼灸治療は目の周辺のツボを鍼やお灸で刺激し目の血流改善を促します。
また、それと同時に腹部や背部にある目に関係するツボや自律神経を整えてくれるツボにも施術を行っていき身体全体の免疫を向上させます。 最後に、目に血液を送る為には必ず頚部を通らないと新鮮な血液が行き届かない事から、当院では頚肩部のストレッチを重点的に行っていきます。
- ※当院の眼科鍼灸の考え方についてはこちらをご覧下さい。